「家庭菜園・もういらない…編」ズッキーニとキュウリが牙を剥く季節がきた

家庭菜園

7月も後半に差し掛かり、札幌の裏庭菜園にも「収穫の喜び」というやつがやってきた。

……はずだった。

最初の一本を収穫したときは、たしかに喜んだ。「おお、ついに!」とスマホで写真を撮り、家族に見せて回った。だが今、冷蔵庫を開けるたびに視界に飛び込んでくるあの緑の物体たちを見て、私は静かに悟った。

これは「恵み」ではない。「圧力」だ。

気づけば冷蔵庫がズッキーニ専用倉庫になっている

ズッキーニという野菜は、油断が命取りだ。「まだ小さいから、もう少し置いておこう」と2日見逃しただけで、気づけばラグビーボールサイズに育っている。しかも1株から次から次へと出てくるので、収穫が「一本」で終わることはまずない。

冷蔵庫の野菜室を開けると、ズッキーニ、ズッキーニ、その奥にもズッキーニ。もはや何の保管庫なのか自分でも分からなくなってくる。

キュウリも負けていない。「今日はまだ大丈夫」と思って畑を見に行かなかった翌朝、なぜか一晩で急成長した怪物サイズのキュウリが3本、こちらを見下ろしている。北海道の夏の日照時間、恐るべしである。

「もらってください」戦争が始まる

ここからが本番だ。家族だけでは到底消費しきれない量が毎日発生するため、次のステージに突入する。近所への「配布フェーズ」である。

最初は「うちの畑で採れたので、よかったら」と余裕の笑顔で渡せる。だが2週間もすると、渡す相手の顔にわずかな緊張が走るようになる。「あ、また来た」という空気を、こちらも敏感に察知してしまう。

そして気づけば、ご近所同士でも「ズッキーニ渡し合い」が発生し、下手をすると自分が渡したズッキーニが回り回って戻ってくるという、北海道あるあるの奇妙な循環経済が成立する。

消費に追われる日々のメニュー変遷

家庭内では、ズッキーニ・キュウリ料理のバリエーションが日に日に進化していく。

最初はシンプルに浅漬けや炒め物。しかし量が量なので、じきに「ズッキーニのグラタン」「ズッキーニのピクルス」「ズッキーニのすりおろし味噌汁」と、明らかに本来のレシピの範疇を超えた創作料理が食卓に並び始める。

キュウリも同様で、「今日もキュウリ入りのサラダか」と家族の箸が心なしか重くなる頃には、こちらも「もう漬物にするしかない」と半ば投げやりな気持ちで大量の塩をふりかけている。

それでも来年もまた植えてしまう不思議

ここまで書いておいてなんだが、この「もういらない」の悲鳴を毎年上げているにも関わらず、翌年の春になるとまた性懲りもなくズッキーニとキュウリの苗をカートに入れてしまう自分がいる。

これはもう一種の季節病なのかもしれない。冬の間にすっかり夏野菜の大変さを忘れ、「今年こそは上手に管理して、ちょうどいい量だけ収穫するぞ」という謎の自信だけが毎年リセットされて蘇るのだ。

北海道の短い夏を全力で謳歌する野菜たちに振り回されながらも、憎めない。それが家庭菜園というものなのかもしれない。

今のうちにできる「大量収穫」対策

とはいえ、笑ってばかりもいられないので、実際に効果があった対策も書いておく。

  • 収穫はこまめに、小さいうちに:ズッキーニは油断すると巨大化するので、2〜3日に一度は必ずチェックする
  • 冷凍保存を活用:薄切りにして冷凍しておけば、炒め物やスープに使い回せる
  • 配る相手をあらかじめ複数確保:一人に集中させず、少量ずつ分散するのがご近所トラブル回避のコツ
  • 加工前提のレシピをストックしておく:ピクルスや浅漬けなど、日持ちする調理法を先に覚えておくと安心

これから収穫がさらに増える方は、ぜひ参考にしていただきたい。そして、もし北海道のどこかで「またズッキーニもらっちゃった…」と苦笑いしている方がいたら、それはきっと同じ悩みを抱える仲間である。

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