お盆明け、北海道の札幌市では 急に気温が下がったり、陽射しが強く高温になったり、安定しない天気となり、秋野菜の苗が思うように育たずに枯れてしまう…そんなトラブルが起こりやすい時期です。
特に今年のような暑さと乾燥が続いた夏は、家庭菜園初心者の方だけでなく、ベテランの方でも「秋野菜の苗がうまく根付かなかった」「思いきって植え替えたい」という声をよく耳にします。
でも、あきらめるのはまだ早い!
札幌のような冷涼地の小さい裏庭では、8月後半〜9月初旬が秋野菜リカバリーの最終チャンス。
今回の記事では、苗が失敗したときに試したい植え替え術や、今からでも育てられるおすすめ野菜、再スタート時の注意点などを詳しく解説します。
なぜ苗がうまく育たなかったのか?|8月に起こりやすい5つの原因
まずは、苗がうまく育たなかった理由を振り返ってみましょう。以下のような要因が重なることで、苗が枯れたり生育が止まってしまったりすることが多いです。
- ① 地温が高すぎる:日中の強い日差しにより、土の表面温度が30℃以上になることも。根が弱りやすくなります。
- ② 水やりの失敗:乾きすぎた土に一度に大量の水を与えても、水が浸透せずに流れ出てしまうことがあります。逆に、水のやりすぎは土中の酸素を奪い、根腐れの原因になります
- ③ 害虫被害(コナガ・アブラムシなど):若い苗はとくに被害を受けやすく、気づいたときには穴だらけに。
- ④ 風通し不足・蒸れ:密植や日中の高湿度で葉が傷みやすく、病気を引き起こすことも。
- ⑤ 根付く前に枯れてしまう:植え付け後の水分・気温管理が甘いと、根が伸びずに枯れるケースが多いです。

今からでも植えられる!おすすめ秋野菜(札幌版)
8月20日〜9月上旬は、札幌ではまだ秋まき野菜に間に合う時期です。以下の野菜は、苗の植え直しにも、種まきからの再チャレンジにも向いています。
- こかぶ:発芽から収穫まで40〜50日程度。低温にも強く、家庭菜園に向いています。
- 小松菜:発芽適温が15〜30℃と幅広く、寒さにも強い。1ヶ月で収穫可能。
- みずな:種まきから約30日で収穫可能。サラダにも炒め物にも◎。
- チンゲンサイ:暑さと寒さに強く、アブラナ科の中では病害虫にも比較的強め。
- ほうれん草:9月上旬が種まきのタイムリミット。発芽後は寒冷に強く育ちやすい。
- サニーレタス・リーフレタス:暑さにはやや弱いため、8月中にまくのがベター。ただし、高温で発芽しにくい場合があるため、種まき後に日陰に置くなどの工夫が必要です
特にこかぶ・小松菜・みずなは、初心者でも再挑戦しやすく、収穫までが早いのでモチベーション維持にもなります。

植え替えを成功させるための実践テクニック
苗のリカバリーで重要なのは、「前よりよい環境」を整えてあげること。
以下のポイントを押さえることで、再挑戦の成功率が格段にアップします。
- ● 日差しを避けて作業:晴天の日中の植え替えは避け、夕方〜曇天時に行いましょう。
- ● 土壌改良をしっかり:前の苗の根が残っていたら取り除き、「腐葉土や堆肥」をメインに、必要に応じて苦土石灰を少量施す
- ● ポット苗は根鉢をほぐして:根詰まり気味の苗は、やさしく根をほぐしてから植えましょう。
- ● 株間はゆったりと:風通しを確保し、病気の予防につなげます。

再スタート後の管理|育ちやすい環境をキープしよう
植え替え後10日間が定着の勝負。水分や光の調整に加え、適度な肥料管理が重要です。
- 朝の水やりを習慣化:土の乾き具合を見ながら、早朝にしっかりと与えましょう。夕方も乾燥していれば追加。
- 遮光対策・虫除け:寒冷紗や不織布をトンネルがけすれば、一石二鳥です。
- 追肥は10日後からスタート:液体肥料なら吸収が早く、速効性も◎。週に1回程度のペースで。
また、早どり目的なら間引き菜として収穫し、混み合ったら間引きを兼ねて食べてしまうのもおすすめです。

北海道の秋は短い!時間との勝負を楽しもう
札幌では9月中旬を過ぎると最低気温が10℃を下回る日も出てきます。秋野菜のリカバリーを成功させるには、8月下旬〜9月上旬までが勝負です。
「もう無理かも…」と思った時こそ、種まきや苗の植え替えを試してみてください。
秋は害虫の数も減り、土も締まりやすいので管理がラクになる季節。短期間で育つ野菜を選べば、10月中旬〜下旬にはしっかり収穫が可能です。
「失敗したら終わり」ではなく、「失敗したから工夫する」。家庭菜園ならではの軽いフットワークでのもう一回勝負ができます!

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