はじめに — 古い種、どうする?
引き出しの奥で眠る古い種。
「発芽するかどうか不安で使えない」「もったいないから取ってあるけど…」そんな悩みは家庭菜園あるあるです。
この記事では、野菜別の種の寿命目安と、捨てる前にできる簡単な発芽テスト、そして発芽率を上げる実践的な再生ワザや保存方法をわかりやすくまとめます。

種の寿命(野菜別の目安)
種の寿命は品種や保存状態によって大きく変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。
これは屋内の常温保存を想定した場合の目安で、低温・低湿で保存すれば寿命は延びます。
| 短め(約1年) | 中程度(約2〜3年) | 長め(約3〜6年) |
|---|---|---|
| レタス、ニンジン、パセリ、ほうれん草 | トマト、ナス、ピーマン、バジル | キュウリ、カボチャ、メロン、豆類(エダマメなど)、じゃがいも(種イモ) |
※目安:品種や湿度・温度により前後します。たとえばトマトは条件良ければ3〜4年、保存が悪ければ1〜2年で発芽率が低下します。
捨てる前にやるべき「発芽テスト」の方法
発芽テストはとても簡単。数分で準備でき、捨てるかどうかの判断がつきます。
用意するもの
- 古い種(10粒程度が目安。少量なら5粒でもOK)
- キッチンペーパーまたはコットン
- チャック付き袋やラップ、もしくは浅いトレー
- スプレーボトル(あれば便利)
手順(簡単5ステップ)
- キッチンペーパーを軽く湿らせ、平らに敷く。
- 種を等間隔に並べ、ペーパーごと二つ折りにする。
- 湿らせたペーパーをチャック袋やラップで包み、暖かい場所(室温でOK)に置く。直射日光は避ける。
- 1〜2日に一度、ペーパーの乾き具合を確認して水を補給する。
- 数日〜2週間で発芽率を確認。発芽率が70%以上なら十分使える目安。
例:トマトやナスは4〜7日で発根、ニンジンやレタスは7〜14日かかることがあります。

発芽率を上げる再生テクニック
テストで発芽率が低かったときや、古い種をどうにか使いたい場合に試したい方法です。
1) プレソーク(浸種)
種を人肌程度のぬるま湯に数時間〜一晩浸す方法。
特に豆類や硬い殻を持つ種に有効。ただし長時間の浸水は種を傷めるので注意。
2) スカーリフィケーション(種の傷付け)
ニンジンやセージなど、発芽しにくい種に有効。
やすりや軽く刻んだ紙ヤスリで殻を軽くこすることで水分が入りやすくなります。
やりすぎは禁物。
3) 温度管理(温床や暖房の利用)
発芽適温を満たすことで古い種でも発芽しやすくなります。
トマトなら20〜25℃前後が理想。冬場は室内や発泡スチロールで保温してやると良いでしょう。
4) 発芽促進剤の使用(市販品)
市販の発芽促進剤や微量要素を含む希釈溶液を用いる方法もありますが、初心者はまずプレソークや温度管理を試すのがおすすめです。
古い種の処分方法(リサイクルや活用法)
発芽しなかった種=完全に無価値、とは限りません。以下の活用方法があります。
- コンポストに混ぜる(種が発芽する可能性があるため高温で分解されるか確認するか、土に混ぜずに高温発酵させる)。
- クラフト素材として利用(小袋に入れてラベル作りなど)。
- 地域の種交換会やコミュニティに提供(ただし発芽率が低いことは明記)。
自治体のゴミルールに合わせて適切に処理することも大切です。
種の正しい保存法 — 寿命を延ばすコツ
種の寿命を延ばすための基本は低温・低湿の環境を保つこと。
- 密閉袋や容器に入れ、乾燥剤(シリカゲル等)を一緒に保存する。
- 冷蔵庫の野菜室は温度変動があるためおすすめしないが、冷暗所や冷凍庫の短期保管は有効(解凍時の水分に注意)。
- ラベルに購入日・品種名・保存開始日を明記しておく。

よくある質問(FAQ)
Q. 1年以上古い全ての種は捨てるべき?
A. いいえ。野菜や保存状態によります。まずは発芽テストをして判断しましょう。
Q. 種の見た目が変色しているときは?
A. カビや強い変色がある場合は品質が落ちている可能性が高いので処分を検討してください。軽度の変色でも発芽テストで確認が確実です。
Q. 発芽テストで発芽したけど育ちが悪い場合は?
A. 発芽後の生育も種の品質に左右されます。苗の葉色や活力が弱いと感じたら早めに代替種で再播種するのが安全です。
まとめ — 捨てるか残すかの判断フロー
簡単な判断フロー:
- ラベルで購入日を確認 → 購入からの年数を確認
- 発芽テスト(10粒)を実施
- 発芽率70%以上:通常通り使用可。50〜70%:多めに播く/補充を検討。50%未満:再播種か廃棄を検討
手間をかければ古い種でもよみがえることが多いです。
まずは発芽テストで可能性を確かめてみましょう!
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