北海道で家庭菜園〜四季の移ろいと土のある暮らし〜

大きな木の風景 家庭菜園

北海道で家庭菜園をしていると、季節の移り変わりがはっきりと肌で感じられます。

春は一気に芽吹き、夏は豊かに実り、秋は少し寂しさを帯びて、冬はまっさらな静けさの中へ。

冬の間、畑はすっぽりと雪に覆われ、手を入れることはほとんどできません。

けれど、その「できない時間」こそが、次の季節を心待ちにする豊かな余白でもあるのです。

今日は、そんな“北海道での家庭菜園と四季の暮らし”を、私の体験とともに綴ってみます。


🌱🌸 春:目覚めのよろこび🌸🌱

4月
ようやく雪がとけて、地面が見えてくるころ。
まだ肌寒い風が吹いているのに、土の匂いだけは確かに春を感じさせてくれます。

小さな裏庭を見に行くと、去年まいた種の殻や、枯れた茎が静かに冬を越えてそこにあります。
「今年も始まるんだなあ」と、胸がじんわりとあたたかくなる瞬間です。

北海道の春は短くて、気温も不安定。
でも、その中で育苗ポットに土を入れ 種をまく。
気温を気にしながら 丁寧に水をかける。

「大丈夫かな?」と心配しながらも、芽が出ると本当にうれしい。
冬の長い眠りから一緒に目覚めるような気持ちになります。

5月
連休の賑わいの中 安定しない気温を気にしながら 畑にくわを入れ 土づくりをする。
野菜たちの植え付けが始まります。

朝晩の冷え込みに耐えながら、 少しずつ茎が伸び葉が増える様子を見るのが
毎日の楽しみとなります。

「明日晴れるかな?」「雨止むかな?」心配と期待が交錯する日々を過ごしながら
小さな裏庭を 見守ります

🌿🌻 夏:豊かさと、忙しさと🌻🌿

北海道の夏は本当に短く、でもぎゅっと詰まった濃さがあります。

6月から8月にかけて、野菜たちは一斉にぐんぐん育ち、
小さな裏庭は、にぎやかさのピークを迎えます。

朝、まだ涼しいうちに畑に出ると、トマトの香り、ミツバチの羽音、太陽の光にきらめく葉っぱたち。
ただそこにいるだけで、体も心もほぐれていくような心地よさがあります。

夏野菜の手入れは忙しく、水やり、支柱立て、害虫対策に追われる日々。
でも、自分の手で育てたナスやズッキーニ、キュウリが実っていく様子を見ると、
そんな手間さえも楽しいと思えるんです。

とれたての野菜をその場でかじる。
ちょっと曲がったキュウリも、虫食いのある葉っぱも、
自分で育てたものは、本当に愛おしく思えるのです。


🍂🌰 秋:実りと、少しのさみしさ🌰🍂

9月
朝晩の空気がぐっと冷え込み、空が高くなった気がします。

そろそろ収穫もラストスパート。
カボチャ、さつまいも、ダイコンなど、秋の味覚が次々と畑を彩ります。

「今年はどうだったかな」
と、その年の畑の成果を思い出しながら、来年に向けた反省や、ちょっとした誇らしさを感じる季節。

10月
霜が降り始めるころになると、急いで残りの野菜を収穫し、道具を片付け、
小さな裏庭を“冬支度”させます。

北海道の秋は早足で過ぎていきます。
このときの空気には、ちょっと切なさが混じっていて、まるで畑とお別れのあいさつを交わしているような気がするんです。

❄️ ☃️冬:真っ白な休息☃️❄️

11月
木々が落葉し、寂しげな景色に。

初雪の便りが届き 手袋・帽子・マフラーなどの防寒具を取り出し
厳しい冬を迎える準備を始めます

秋に収穫した さつま芋やかぼちゃは熟成して 一段と甘く美味しくなり
その年の収穫の最後を彩ってくれます

12月
雪が本格的に降り始め、あっという間に畑は真っ白な世界に。

土に触れることも、収穫も、草むしりも何もできません。

でも、だからこそ冬のあいだは「心を休ませる時間」として、私は大事にしています。

春夏秋の畑仕事で体に染みついたリズムを少しずつほどいて、
来年はどんな野菜を育てよう、どんな土づくりをしよう、と静かに想像する。
種のカタログをめくったり、家庭菜園の本を読み返したり、温かいお茶を片手にのんびり過ごす冬。

土の下では、きっと微生物たちがゆっくりと命をつなぎ、
また春に目覚める準備をしてくれているはず――そんなふうに思える時間です。

ー 季節のリズムが、暮らしの軸になる ー

北海道の自然は厳しいときもあるけれど、
その分、ひとつひとつの季節の変化がはっきりとわかります。

家庭菜園を始めてから、私の暮らしにも“自然のリズム”が流れ込んできました。

春には心が弾み、
夏には動き回り、
秋には立ち止まり、
冬には休む。

畑と一緒に、私自身も四季に寄り添いながら暮らしている。

そんな感覚が、いつの間にか生活の軸になっている気がします。

ー 最後に:できる季節も、できない季節も ー

北海道での家庭菜園は、できる時期が限られているからこそ、毎シーズンがとても特別です。

畑に出られない冬も、それはそれで大切な時間。

「野菜を育てる」だけじゃなく、
「季節と共に暮らす」ことこそが、家庭菜園の本当の楽しみなのかもしれません。

今年もまた、雪がとけて 新しいリズムの始まりを感じています。

雪かきスコップを 畑のスコップに持ち替えて 小さな裏庭に立って 土の匂いを感じながら

さあ 今年もやるぞ!

たくさんの収穫を夢見ながら・・・・。

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