⚠️ 11月下旬、本格的な雪シーズンを迎え、道路には凍結した路面、通称**「アイスバーン」**が出現し始めます。北海道の冬道運転で最も怖いのが、このアイスバーンによるスリップ事故です。
この記事では、見た目では判別しにくい危険なアイスバーンの種類と、万が一遭遇した際に事故を防ぐための具体的な回避テクニックを徹底解説します。
危険度MAX!北海道の道路に潜むアイスバーンの種類
一口にアイスバーンと言っても、その原因や状態によって滑りやすさや対処法が異なります。
① ブラックアイスバーン(最も危険)

- 特徴: 昼間に溶けた雪や路面からの水蒸気が、夜間の冷え込みで薄い氷の膜となり、アスファルトの色(黒)が透けて見える状態。
- 危険な理由: ドライバーからは水に濡れているようにしか見えず、凍結に気づくのが遅れるため、最も事故に繋がりやすいと言われています。
- 発生しやすい場所: 橋の上、トンネルの出入り口、日陰(ビルや森林の影になる場所)。
② ミラーバーン(鏡面凍結)

- 特徴: 昼夜を問わず、車の往来が多い交差点付近などで、走行によって雪が溶け、その水分が再度凍りつき、鏡のようにツルツルに磨かれた氷になった状態。
- 危険な理由: 摩擦抵抗が極端に低く、スタッドレスタイヤでもグリップがほとんど効きません。
- 発生しやすい場所: 信号待ちが多い交差点の手前や、カーブの内側。
③ ワダチ(轍)アイスバーン

- 特徴: 降り積もった雪が多くの車に踏み固められた後、そのワダチ部分だけが氷になり、ワダチの間に雪が残っている状態。
- 危険な理由: ハンドルを取られやすく、ワダチを跨いだり抜け出したりする際に、車体が不安定になりがちです。
事故を防ぐための「回避テクニック」3つの原則
アイスバーンでスリップ事故を起こす原因のほとんどは、「急」のつく操作(急ブレーキ、急ハンドル、急発進)です。
原則 1:スピードは「凍結時の制限速度」で走る
- 通常の制限速度は目安にしない: 普段時速50kmで走る場所でも、アイスバーンでは時速20km~30kmまで減速を。
目安として、路面が濡れて黒く見える時点で既に凍結を疑い、通常より大幅に減速し、「止まれる速度」で走行しましょう。
北海道民は雪道に慣れているのでスピードが早い人が多いですが、慣れていない人が同じようにつられてスピードを出すと大変危険です。滑る時はどんなに慣れた人でも止まれなくなります。 - 車間距離は通常の2倍〜3倍: 凍結路では乾燥路の2倍以上の制動距離が必要です。
前の車が急ブレーキを踏んでも余裕を持って止まれるよう、車間距離を広く保ちましょう。
原則 2:ブレーキは「ABS車はブレーキをしっかり踏み続けるのが基本」
急ブレーキを踏まないように低速で車間距離を空けての運転が基本ですが、止むを得ず急停止が必要な時は、ABS搭載車(アンチロックブレーキシステム)ではブレーキは「強く・一定に踏み続ける」のが基本です。
ペダルが振動しても離さず、車体が安定するのを待ちましょう。
ABSが搭載されていない車では、凍結路ではポンピングブレーキが有効です。
- 方法: ブレーキペダルを**「優しく踏む → 緩める → 踏む」**と小刻みに操作します。
- 効果: タイヤのロックを防ぎながら徐々に減速できます。もし滑り始めたら、ブレーキを踏み続けるのではなく、一度緩めることでタイヤの回転を回復させ、再びグリップを取り戻すことを試みましょう。
原則 3:滑り始めたら「カウンター」で立て直す
カーブなどで後輪が滑り始めた(スリップした)場合、慌てずに冷静に対処することが重要です。
後輪が滑り始めた際にカウンターをあてることで、車両のスピンを防ぎ、安定した走行を維持できます。
ブレーキは踏まず、アクセルも戻すだけ(踏まない)
1. タイミング
カウンターをあてる「切り始めのタイミング」が非常に重要です。テールスライドが発生した直後に操作しないと、スピンにつながる可能性があります。
2. 舵角
ステアリングを切る「舵角」も重要です。舵角が足りないとオーバーステアは解消されず、多すぎると不安定な挙動を引き起こします。
3. 戻すタイミング
ヨーイングが収束した際にステアリングを「戻すタイミング」も重要です。戻しが遅れると、車両が反対方向に振られる「お釣りをもらう」状態になり、制御不能になることがあります。
カウンターを当てるのは誰でもできますが、正確に戻すのは難しいとされています。
今すぐ実践できる「凍結を見抜く」チェックポイント
運転中に凍結を見抜くには、五感をフル活用することが重要です。
- 気温計チェック: 外気温が3℃を下回る場合は、路面の一部が凍結している可能性が高いです。特に0℃近辺では、凍結と融解が繰り返され危険です。
- タイヤハウスのチェック: 走行中に巻き上げた泥や雪が、タイヤハウス(タイヤの上部)に凍り付いていれば、路面も凍結している可能性が高い証拠です。
- ブレーキのチェック: 誰もいない安全な場所で、軽いブレーキを試してみましょう。もし「キュッ」ではなく「ツルッ」という感触があれば、路面が凍結しているサインです。
雪道運転は経験が最も大切ですが、事前の知識と冷静な操作で事故の確率は大きく下げられます。
雪道ではスピードが出せず渋滞も発生しやすいです。
目的地までは、夏場に比べて倍以上の時間がかかることがあります。
十分余裕を持って出発するようにしましょう
「急がず、焦らず、滑らない」をモットーに、安全な冬のドライブを楽しんでください!
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