北海道の秋といえば、美しい紅葉とともにやってくるのが「落ち葉の季節」。庭や公園、街路樹から舞い落ちる大量の落ち葉は、袋に詰めてゴミとして出すのが一般的ですが、実は家庭菜園にとっては貴重な資源になります。落ち葉を「堆肥」に変えることで、土づくりに役立ち、循環型のエコな家庭菜園を実現できるのです。
この記事では、北海道の気候に合わせた落ち葉堆肥づくりの始め方と活用法を紹介します。
落ち葉堆肥とは?腐葉土との違い
落ち葉を集めて自然に分解させたものを「腐葉土」と呼ぶことがありますが、厳密には堆肥は肥料分を意識してつくるもの。落ち葉に米ぬかや油かすなどを混ぜて分解を早め、栄養を含んだ土壌改良材にするのが落ち葉堆肥です。家庭菜園では以下のような効果が期待できます。
- 土の保水性・通気性を改善
- 微生物の活動を促進
- 野菜や花の根張りをよくする
- ごみ削減と資源循環につながる

落ち葉堆肥づくりに必要なもの
特別な道具は不要で、家庭菜園にあるもので十分始められます。
- 落ち葉(カシワ、ナラ、カエデなど分解されやすい葉)
- 米ぬか、油かすなどの窒素源
- 水(しっとり湿る程度)
- コンポスト容器、落ち葉ネット、または穴を掘ったスペース
避けたい落ち葉は、イチョウやクスノキなどワックス成分が多く分解しにくい葉、病害虫のついた葉です。
落ち葉堆肥のつくり方
- 落ち葉を集める
病気の葉を避け、乾いている落ち葉を中心に集めます。 - 細かくする
足で踏む、芝刈り機やシュレッダーで刻むと分解が早まります。 - 積み重ねる
落ち葉と米ぬかを交互に重ねていきます。目安は落ち葉10に対して米ぬか1程度。 - 水を加える
全体がしっとり湿るくらいに水を加えます。握って水がじんわりにじむ程度が理想。 - 切り返す
1〜2か月に一度、スコップでかき混ぜて酸素を供給。発酵熱でホカホカと温かくなることもあります。
北海道での堆肥づくりのポイント
北海道の冬は気温が低いため、堆肥の分解は一度止まります。冬の間は「熟成期間」と考え、春に雪が解けて気温が上がると分解が再開します。ポイントは以下の通りです。
- 雪の下に置いてもOK(凍結しても春に再始動)
- 翌年の夏〜秋に使えるようになるのが一般的
- 寒冷地ではネットやブルーシートで覆い、風飛びを防ぐと安心

できあがった堆肥の使い道
落ち葉堆肥が黒っぽくなり、ふかふかの土のような状態になったら完成です。
- 野菜の元肥や追肥として利用
- トマトやナスなど果菜類の土壌改良に
- 果樹や花壇のマルチング材として
- 畑の表土に薄く広げて有機物補給

注意点
- 乾燥しすぎは分解が止まる → 水分補給を忘れずに
- 水分過多は悪臭の原因 → 通気性を意識して積む
- 生ごみを多く混ぜると害虫やカビの原因になる
- 未熟な堆肥は直接野菜の根元に使わない(根を傷める可能性)
まとめ
秋に集まる落ち葉は、ただ処分するだけではもったいない存在です。少し手間をかけて堆肥化すれば、翌年の家庭菜園に役立つ立派な肥料になります。北海道の寒冷地では完成までに時間がかかりますが、その分じっくり熟成され、土を元気にしてくれる堆肥ができます。今年の秋はぜひ「落ち葉堆肥づくり」に挑戦して、循環型の家庭菜園を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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