2月後半の札幌では、街のあちこちで同じ言葉が観測されます。
「もう雪いらない」
誰かが号令をかけたわけでもないのに、全員が同時に言い始めます。
もはや季語です。
挨拶の代わりに使われることもあり、
「おはようございます」と同じ意味を持つ場合すらあります。
❄️ なぜこの言葉は無限に出てくるのか
理由は単純。
冬に対するHPがゼロに近いからです。
- 雪かき → 体力を削られる
- ツルツル路面 → 精神を削られる
- 跳ね上がる光熱費 → 財布を削られる
つまり札幌市民は今、
体力・精神・金銭の三重デバフ状態にあります。
その結果、口から出るのは回復魔法ではなく、
「もう雪いらない」

☀️ 「春が来るかもしれない」という危険な錯覚
2月後半、日差しだけは妙に強くなります。
その瞬間、誰もが思います。
「……あれ? これ春じゃない?」
しかし翌日、普通に吹雪。
むしろ前日より荒れる。
北海道の天気は、希望を見せてから叩き落とすスタイルです。
このとき札幌市民は再び唱えます。
「もう雪いらない」
(※効果はない)
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🚶 外出すると自動的に回数が増える仕様
この言葉は、特定のイベントで自動発動します。
- 車道と歩道の段差に足を取られたとき
- 滑りかけて謎のステップを踏んだとき
- 靴の中に雪が入ったとき
- 信号待ちで冷たい風に顔面を刺されたとき
- 駐車場の「雪の壁」を見たとき
特に「滑りかけたが転ばなかった場合」は、発声率が非常に高くなります。
生還報告の意味も含まれているためです。
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🧊 それでも雪は読まない空気
何度言っても、雪は一切空気を読みません。
3月でも降ります。
4月でも忘れた頃に降ります。
札幌の雪は、
「もういらない」と言われるほど張り切るタイプです。
🌸 そして、ある日突然言わなくなる
道路が乾き、雪山が低くなり、水たまりが消えた頃。
あれほど連呼されていた言葉は、跡形もなく消えます。
代わりに現れるのは、このセリフ。
「今年、雪多かったね」
数週間前まで「もう雪いらない」と言っていたことは、誰も思い出しません。
そしてまた次の冬、同じことを言います。
札幌の冬とは、記憶をリセットする装置なのかもしれません。
© 2026 札幌市民「もう雪いらない」製作委員会
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