2025年、NTTドコモが「ドコモ絵文字」の提供を順次終了するというニュースが流れました。
ガラケー時代から使い続けてきた私たちの世代にとって、それはとても寂しい知らせです。
絵文字は単なる飾りではなく、感情や空気を伝える“表現の道具”でした。
時には、文字にしなくても気持ちが伝わる“暗号”のような使い方をすることもありました。
今日のひとりごとは「暗号的な絵文字表現」を振り返りながら、絵文字文化の終焉に一つの区切りを付けたいと思います。

◆ 絵文字を“暗号”のように使っていた時代
今では信じられないかもしれませんが、かつては「絵文字だけで気持ちを伝える」やりとりが、行われていました。
さすがに私は暗号文的に使った事はなく 解読もできませんが 若者の間では普通に行われていた時代がありました。
意味は、知っている人には伝わるけれど、知らない人にはわからない――。
それがまた面白くて、「解読ごっこ」みたいな文化すら存在していました。
◆ 暗号的な絵文字の例①:片思いの一日
💌→😳→📞❌→😢→🍫→😊→💖
解読例:
ラブレター送ったけど、返事の電話は来なかった。ちょっと落ち込んだけど、チョコを渡したら笑ってくれた。嬉しい!
◆ 暗号的な絵文字の例②:いつもの通学日
🕒💤→🚃→👩🏫→😑→🍙→😋→📱💬→💤
解読例:
寝坊して急いで電車に飛び乗り、授業はイマイチだったけど、おにぎりで元気出して、スマホで友達と話して寝落ち。
◆ 暗号的な絵文字の例③:微妙な恋模様
👀💕→🙈→💔→📱💬→😅→🙃→🌙
解読例:
気になる人を見かけたけど、目が合ってそらしてしまい…そのあと振られてLINEで言い訳して、微妙な空気のまま夜に。
口の形で言葉を表現
😮😃😚😘 ・・・ おはよう
😮😃😗😁 ・・・ おやすみ
😃😝 ・・・ だめ
といった じゃべったときの口の形で言葉を伝える方法など

◆ 絵文字は“言葉にできない感情”を伝えていた
こういったやりとりは、文字にしてしまうと恥ずかしいことや、ニュアンスが伝えにくい気持ちを、やわらかく表現してくれました。
- ありがとう
- さみしい
- ちょっと怒ってる
- でも許してるよ
そういった繊細な感情の起伏を、絵文字は短く、直感的に表現してくれていたのです。
◆ 若い世代は絵文字を使わない
最近の若い世代は、絵文字を使わなくなってきています。
絵文字をわざわざ探すのは面倒で時間の無駄。
中にはLINEも使わない世代もいるそうで スタンプも使わない。
友達とのやりとりは主にDM、GIF、あるいはリアクションボタンや動画チャットなど、もっと効率的でスピーディなツールを使いこなしています。
一部では「絵文字=おじさん・おばさんの使うもの」というイメージもあるようで、それを避けるためにあえて使わない人もいるのだとか。
メールの文中に💦や🙇♂️があると、この人は年配者だな と思うそうです
かつて私たちが「顔文字(^^)(><)」を駆使していたのが、次第に絵文字に移り変わったように、時代はまた次のフェーズへ進んでいるのだと思います。

でも、私たちの世代にとって絵文字は、ただの装飾ではなく、気持ちを伝える手段だったのです。
◆ 絵文字文化は「日本発の世界遺産」
1999年にドコモがiモードと共に提供を開始した絵文字は、やがてAppleやGoogleの絵文字に影響を与え、Unicodeにも採用され、今や世界中で使われる共通言語の一つになりました。
つまり絵文字は、日本発の、世界的文化です。
そこには、「顔が見えないインターネット空間で、どうやって気持ちを伝えるか」という、ネット黎明期からの人々の努力が詰まっています。
それが少しずつ忘れられていくのは、やはり少しもったいない。
◆ ドコモ絵文字終了に思うこと
テクノロジーは常に進化します。
今の子どもたちは、きっと私たちが思いもよらない方法でコミュニケーションを取るようになるでしょう。
それは自然な流れだし、止められるものではありません。
でも、絵文字が果たしてきた役割や、そこに込められていた感情のバリエーションは、そう簡単に「古い」と切り捨ててしまうには惜しいものです。
進化の過程で「失われてしまうもの」があるのなら、それを記録したり、語り継いだりすることも大切だと思います。
かつて使われていた「顔文字」や「ドコモ絵文字」も、インターネット文化の大切な一部として、何かしらの形で残っていく事でしょう。

あのころのやりとり、絵文字だけのラブレター、絵文字日記、顔文字入りのプロフィール――
すべてが、デジタル時代の「言葉にならない手紙」だったと思います。
◆ 最後に:これからも、たまには使いたい
ドコモ絵文字が消えていっても、私たちの記憶の中には残り続けるでしょう。
絵文字がなくても、私たちは言葉を交わせるかもしれません。
でも、あの小さなアイコンひとつで、「元気?」「ちょっと落ち込んでる」「ごめんね」「ありがとう」を伝え合えたあの時代が、確かにあったことを、覚えておきたいと思います。
今日の記事が、そんな気持ちを共有するひとつのきっかけになれば嬉しいです。😊📱💖
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